日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
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特集1
分化型甲状腺癌に対する分子標的治療の現状と展望
清田 尚臣
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2016 年 33 巻 3 号 p. 140-144

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抄録

これまで放射性ヨウ素治療(RAI)に不応な転移・再発分化型甲状腺癌に対する薬物療法はドキソルビシンが治療選択肢の一つであったが,その有効性は不十分なものであった[1]。しかし,2014年にmulti-target kinase inhibitor(m-TKI)であるソラフェニブ(sorafenib:SOR)の有効性が証明され,新たな治療オプションとして日本でも使用できるようになった[2]。さらに,レンバチニブ(lenvatinib:LEN)も第Ⅲ相試験において明らかな有効性が示され[3,4],RAI不応転移・再発分化型甲状腺癌の治療オプションがさらに充実することとなった。一方で,その使用にあたっては適応の慎重な判断と適切な管理が非常に重要な課題である。本稿では,このような分化型甲状腺癌(differentiated thyroid cancer,DTC)における分子標的薬の適正使用と今後の展望について解説する。

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