日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
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特集1
濾胞性腫瘍の遺伝子異常
光武 範吏
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2017 年 34 巻 3 号 p. 166-169

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抄録

甲状腺濾胞性腫瘍とは,濾胞腺腫と濾胞癌を併せたものをいう。両者の鑑別は明らかでないことがあり,少なくとも一部は連続した病態であると考えられる。また,濾胞性腫瘍と乳頭癌の濾胞型亜型の鑑別も難しいことがある。濾胞性腫瘍では,細胞内シグナル伝達経路のうちPI3K-AKT経路の活性化が重要であると考えられている。このシグナル経路を活性化する遺伝子異常として,RAS変異(特にNRASコドン61),PTEN変異・欠失,PIK3CAの増幅などがみられる。また,染色体再配列PAX8/PPARγが検出されることもあり,これもおそらくPI3K-AKT経路の活性化に関与しているとされる。一般的にはこれらの遺伝子異常には重複がみられない。これらの変異は,頻度が低いものの濾胞腺腫でも検出されるが,その臨床的意義は不明である。さらに追加で生じるTERTプロモーター変異は,高悪性度・予後不良と関連する。

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