2019 年 36 巻 2 号 p. 90-95
転移性乳癌における主たる目的は「生存期間の延長」と「QOL維持・改善」である。特に,エストロゲン受容体陽性転移・再発乳癌においては,化学療法に比べて,より副作用が軽微である内分泌療法を軸とした治療が基本とされてきた。しかし,昨今の臨床試験の結果からCDK4/6阻害薬・mTOR阻害薬といった分子標的薬との併用も重要な治療手段となっている。本項では,エストロゲン受容体陽性転移・再発乳癌に対する治療として,内分泌療法を中心に治療の基本的な方針について述べる。