日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Online ISSN : 2758-8777
Print ISSN : 2186-9545
36 巻, 2 号
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会告
巻頭言
目次
編集委員会
特集1
  • 福成 信博
    2019 年36 巻2 号 p. 63
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/03
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  • 福島 光浩
    2019 年36 巻2 号 p. 64-67
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/03
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    甲状腺・副甲状腺疾患の手術後に起きる術後出血は,約1~2%に起きると報告されており,初期対応を誤ると深刻な事態を招く術後合併症である。頸部は比較的狭いコンパートメントのため切開創が縫合された後に起きる出血はコンパートメント内の圧力を急激に上昇させ気道閉塞を引き起こす原因となる。医療安全調査機構の警鐘事例に甲状腺の手術後に起きた術後出血により不幸な転帰をたどった事例が報告されている。その報告をもとに甲状腺・副甲状腺疾患の手術後に起きる術後出血の注意点を改めて検証する。事例の概要は以下の通りである。40歳代 男性 バセドウ病と診断され甲状腺亜全摘術を施行。手術約12時間後に術後出血から心肺停止となり,いったん蘇生するが約1カ月後,腎不全,肺炎,心外膜炎を併発し死亡した。(医療安全調査機構の評価結果報告書概要 平成24年度 事例132より抜粋)

  • 新井 正康
    2019 年36 巻2 号 p. 68-73
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/03
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    Rapid Response System(RRS)とは,院内心停止数時間前のバイタルサインなどの軽微な異常を心停止の警告的な前兆と捉え,その段階で早期介入を行い,患者予後を変えようとする体制である。患者異常に気づいてRRSを起動する起動要素(起動基準,病棟メンバー)と,要請に応需する対応要素(集中治療の専門家など)からなる。頸部血腫による心停止は,ノンテクニカルスキルの向上により回避できる可能性がある。RRSの起動基準に頸部血腫に特徴的な兆候を加えるとともに,頸部腫脹時の再開創プロトコールを整備し,その中でRRSの役割を位置付けることが重要である。RRSが従来の<担当医-看護師>関係の間に入ることにより,職種間の情報や危機感の共有,協力支援体制が推進されることが考えられる。普段から,患者急変時の基盤システムとしてRRSを定着させておくことが,頸部血腫対策の前提としても重要と考えられる。

  • 北川 亘, 杉野 公則, 二階堂 名奈, 天野 ますみ, 大島 由美, 石澤 緑, 長濵 充二, 伊藤 公一
    2019 年36 巻2 号 p. 74-78
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/03
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    甲状腺・副甲状腺手術の術後出血は,その対応を誤ると稀に死亡事故を起こす極めて重大な合併症である。甲状腺専門病院での術後出血に対する取り組みを紹介する。

    術後出血時の初期対応は,不用意な挿管を避け開創することを優先することが重要である。また,看護部のスタッフ教育として病棟看護師が頸部腫脹を的確に判定し対応できるように,看護部では,看護師のスキル調査をしてレベルの向上を目指している。術後出血に実際に遭遇する看護師は少数であるので,手術介助トレーニング,DVD教育ビデオを通して術後出血時のイメージトレーニングも行っている。また,病棟でいつでもスムーズに躊躇せず開創ができるように,病棟に救急カートとは別に病棟開創カートを準備している。医師と看護師が術後出血は初期対応を誤ると死亡事故につながるという共通の認識を持ち,連携することが重要である。

  • 庄川 久美子, 福原 隆宏, 竹内 裕美
    2019 年36 巻2 号 p. 79-83
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/03
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    甲状腺術後の重篤な合併症の一つに後出血がある。当院では約10年前に頸部周術期管理ガイドラインを作成した。

    この度,甲状腺周術期に携わる看護師と医師を対象として,このガイドラインの運用状況についての調査を行った。その結果,術後に帰室する病棟による看護師の術後観察状況の差異,医師のガイドラインに対する認識および指示内容の差異,ガイドライン記載内容に関する問題点が明らかになった。そこで当院では,これらを解決できる新たな周術期管理方法について検討することにした。

  • 新田 早苗
    2019 年36 巻2 号 p. 84-88
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/03
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    甲状腺・副甲状腺の術後出血のほとんどは術後24時間以内,すなわち入院中に発症する。しかしわれわれは極稀であるが,退院後に術後出血を発症した症例を経験した。退院後の後出血への初期対応は患者本人や家族,たまたま近くに居合わせた非医療従事者があたることになる。2009年9月から2017年4月までで退院後に術後出血を発症した5例の発症状況を詳しく調査し,キーワードとなる主訴と,患者からの問い合わせに対する対応方法や患者指導について検討した。5例の術後出血は術後平均9.0日目に発症していた。5例に共通していた主訴は「急に腫れてきた」であり,次に「痛い」「息苦しい」であった。よって退院後数日の患者から「急に腫れてきた」「息苦しい」「痛い」という主訴の電話があれば緊急事態の可能性があることを認識し,速やかに対応を指示できる体制を構築する必要がある。また,看護師がどのように退院時患者指導を行えば適切に対処できるかの検討も重要と考えた。

特集2
症例報告
  • 佐藤 彩香, 崎村 千香, 山之内 孝彰, 久芳 さやか, 井上 悠介, 伊藤 信一郎, 木下 直江, 安倍 邦子, 新野 大介, 金高 賢 ...
    2019 年36 巻2 号 p. 112-117
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/03
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    83歳女性。2015年3月直腸癌にて化学放射線治療後,直腸低位前方切除術を施行,Adenocarcinoma, tub2>tub1, pT3(SS), sci, INFb, v1(EVG, ss), PN1b, pN1, StageⅢaであった。2016年4月,肺,副腎などの多臓器転移を認めたが,本人の希望により経過観察となった。同年8月,咽頭痛,嗄声を自覚し,甲状腺腫瘍を認め,細胞診施行。Class V(低分化癌疑い)で増大傾向あり手術を予定していたが,頭皮に皮下腫瘤を認め直腸癌皮膚転移であったため,甲状腺腫瘍も転移性を疑い針生検を施行。直腸癌転移の結果であり,手術を中止し放射線療法を施行後,S-1を投与したが副作用のため1週間で中断,2017年4月に死亡した。悪性腫瘍合併患者に甲状腺腫瘍を認め,細胞診で乳頭癌などの明らかな原発性甲状腺癌の所見がない場合,甲状腺転移を考慮し,診断はエコーガイド下針生検が有用である。

  • 齋藤 智和, 林 透, 駒木 幹正, 中原 浩, 船ケ山 まゆみ, 中原 真由美, 柴田 伸弘, 長沼 康子, 前田 資雄
    2019 年36 巻2 号 p. 118-122
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/03
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    今回われわれは,本邦で3例目,世界で12例目の報告となる男性乳腺原発の腺様囊胞癌の1例を経験した。

    症例は69歳男性。右胸壁腫瘤を主訴に当院を受診。マンモグラフィ,超音波検査で右側乳房外上部に境界明瞭な腫瘤像を認め,針生検を行い腺様囊胞癌と診断された。手術は乳房部分切除術を行った。術後補助療法は行っていないが,5年1カ月まで再発を認めていない。

    乳腺原発の腺様囊胞癌は女性乳癌でも約0.1%以下と稀である。また,トリプルネガティブ乳癌が多いにもかかわらず,10年生存率は約90~95%と極めて良好なことが特徴であり,術後の薬物療法についてはエビデンスに乏しく,今後も症例の集積が必要である。

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