日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
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Print ISSN : 2186-9545
特集2
術後分子生物学的予後因子
光武 範吏
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2022 年 39 巻 3 号 p. 190-193

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抄録

多くの甲状腺分化癌の予後は良好とされるが,少数の症例は再発・転移をきたし,さらに放射性ヨウ素治療,分子標的薬にも耐性となり,治療に難渋するものがある。本稿では分子生物学的予後因子として,遺伝子変異,とくに腫瘍の発症・進展に重要とされるドライバー変異について解説する。乳頭癌において,欧米を中心としてBRAF変異が癌の悪性度・予後と関連するという多くの報告があるが,我が国ではこれは否定的である。なぜこのような違いがあるのかについては良く分かっていない。濾胞癌では,RAS変異が悪性度・予後と相関するという報告がある。年齢と非常に強い相関があり,主に高齢者にみられるTERTプロモーター変異は,乳頭癌,濾胞癌,いずれも悪性度・予後と強い相関を示し,現時点で最も強力で有用な分子マーカーである。

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