2022 年 39 巻 3 号 p. 194-198
甲状腺分化癌の予後因子には術前,術中,術後に分かる多数の予後因子があり,これらはいずれもその時点における最適の疾病管理のために重要である。しかし,これらの因子はいずれもある時点における腫瘍の状態や患者の状態を示す静的な因子である。甲状腺髄様癌における血中カルシトニン値,甲状腺乳頭癌における血中サイログロブリン値およびその変動は一般的には術後に判明するものであるが,これらの継時的変動から求められるカルシトニン・ダブリングタイム,サイログロブリン・ダブリングタイムは上記の静的予後因子よりはるかに強力な動的予後因子である。さらに,この考え方を利用すると個々の患者の予後を数量的に予測することもできる。癌診療における必須のツールである。