アジア市場経済学会年報
Online ISSN : 2424-2195
Print ISSN : 2185-1379
インド家電市場の構造変化と韓国家電メーカーの現地化戦略の再考察―LGEILの事例研究―
洪 性奉
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 25 巻 p. 91-99

詳細
抄録

グローバル化の進展とともにIT技術の発達などさらなる高度な社会,経済システムの構築に関心が高まっている中,外資系企業は国際ビジネスにおける異文化リテラシーが与える影響の重要性を忘れがちである。インドのビジネス環境は,他のグローバル市場と大きく異なっており,外資系企業が進出をする際には十分な注意が必要である。本稿で紹介するLGEILはサムスン電子と共に韓国を代表するグローバル家電メーカーであり,インド家電市場において,早期進出と集中投資,そして徹底した現地化戦略によって,一貫して業績を伸ばすことができた。しかし,競争が激化するグローバル市場において多国籍企業の競争戦略を考える際に,海外子会社の現地化戦略とグローバル統合化戦略を分離して考えることは難しくなってきた。本稿では,インド家電市場におけるLGEILの現地化戦略の再考察を行ったことで,海外子会社は現地国の環境要素,産業の特性および,企業の状況に合わせて現地化のレベルを決定する必要があるという含意が得られた。

著者関連情報
© 2022 アジア市場経済学会
前の記事 次の記事
feedback
Top