ジャフィー・ジャーナル
Online ISSN : 2434-4702
機械学習による企業財務指標に基づく自社株買い行動の予測と資産運用への応用可能性
望月 孝太郎田村 空生加唐 丈裕鈴木 智也
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2026 年 24 巻 p. 58-78

詳細
抄録

上場企業の財務指標を機械学習することで,今後1年間における自社株買い行動の予測可能性を検証した.近年,自社株買いは企業価値の向上策として注目されている.その背景には,東京証券取引所による資本効率の改善要請や上場基準の見直しがある.そこで本研究では,東京証券取引所上場企業を対象に,過去の自社株買い実績と当該時点の財務指標を説明変数とし,ロジスティック回帰やXGBoost等の機械学習モデルを適用した.その結果,自社株買い行動は0.7以上のAUC値で予測可能であり,その発生メカニズムは機械学習できるほど定型的な要素を多く含むと示唆される.

次に,この知見を株式ポートフォリオの銘柄選択に活用することで,資産運用における応用可能性を検証した.機械学習によって自社株買いの発生確率が高いと判断された銘柄群をロング,低いと判断された銘柄群をショートすることで分位ポートフォリオを構築したところ,比較的良好なパフォーマンスが得られ,伝統的なリスクファクターではモデル化できない追加的な収益機会を獲得できる可能性を確認した.

著者関連情報
© 2026 一般社団法人日本金融・証券計量・工学学会(ジャフィー)
前の記事 次の記事
feedback
Top