2026 年 24 巻 p. 36-57
本論文では、米国景気後退(リセッション)を定量的に予測する新たな指標 Recession Indicator(RI)を提案する。RIは、失業率や消費動向などのハードデータに加え、中央銀行政策金利を含む多様な経済指標を特徴量とし、Random Forestsによる重要度評価と専門家判断を組み合わせて選定した上で、主成分分析により多重共線性を低減し、ロジスティック回帰で学習する構造を採用した。2000年以降の検証では、代表的な既存モデル(Sahm Rule、McCulley Indicator、Inverted YC model等)と比較して、Precision, Recall, F1スコア, PR-AUC の全てで優位な性能を示した。さらに、RIを用いた債券ロング/ショート戦略は、アウトオブサンプルにおいてもベンチマーク(バイアンドホールド)を安定的にアウトパフォームし、主成分数やロジスティック回帰パラメータの変化、特定指標の欠落にも頑健であった。この結果は、RIが景気と経済指標の関係性を適切に捉え、投資戦略にも応用可能であることを示唆する1。