減圧乾燥法を小豆の乾燥に適用し,乾燥速度や品質(豆の割れや裂皮)に及ぼす真空度と温度の影響を様々な温度(20~70℃)と真空度(0.07~0.10 MPa)条件下で調べた。すべての測定条件において破裂粒や裂皮粒は観察されなかった。減圧乾燥時の小豆の乾燥速度は熱風乾燥法よりも速かった。減圧乾燥法は,含水率25%以下,温度20~70℃の条件で小豆の乾燥に適用することが可能であることが示された。また,減圧乾燥過程における小豆の含水率変化を予測できる新しい乾燥モデルを提案した。そのモデルは温度と真空度の双方の関数として表されている。そのモデルによる含水率の計算値と測定値を比較したところ両者はほぼ一致し,提案した乾燥モデルは,温度20~70℃および真空度0.07~0.10 MPa条件において充分な精度で小豆の含水率経時変化を予測できることが示された。さらに減圧乾燥時における小豆の水分拡散係数を,Fickの第二拡散モデルを利用して推定し,温度と真空度の関数として表した。