日本食品保蔵科学会誌
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ボツリヌスC型プロジェニター毒素複合体の33kDa血球凝集素の変異が経口毒性を上昇させる
唐津 修羅宮下 慎一郎畑 剛士HUANG I-Hsun細谷 圭汰相根 義昌
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2022 年 49 巻 1 号 p. 19-28

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抄録

 ボツリヌス菌が産生する神経毒素(BoNT)は,その培養液中において,非毒非血球凝集素およびHA-33,HA-17およびHA-70から構成される血球凝集素が会合したProgenitor Toxin Complex(PTC)として存在する。これらの構成成分のうち,HA-33は小腸上皮細胞への結合を促し,PTCが小腸から体内への侵入する際,重要な機能を果たすものと考えられている。一方,我々は,先にボツリヌスC型菌Yoichi株が産生するPTC(33vPTC)と参照株であるStockholm株が産生するPTC(wtPTC)の構成成分のアミノ酸配列解析の結果から,5つの構成タンパク質のうち,HA-33のC末端領域においてのみアミノ酸残基の置換が集中していることを明らかにした。本研究において,両毒素のマウスに対する腹腔内投与による毒性は,ほぼ同等であるのに対し,それらの経口毒性を比較したところ,33vPTCはwtPTCの90倍の経口毒性を示した。これらの結果は,HA-33がPTCの経口毒性に対し,重要な役割を果たしていることを示している。一方,wtPTCは細胞へ結合する際,シアル酸を末端にもつ糖鎖へ結合することが知られているが,本研究において,33vPTCの経口毒性は,ガラクトースを含む糖との混合投与によって低下した。さらに,33vPTCのムチンに対する結合は,wtPTCのそれよりも顕著に低かった。これらの結果から,33vPTCにおけるHA-33分子内のアミノ酸残基の置換が,小腸上皮組織での細胞認識の特異性に変化をもたらし,さらに,ムチン層にトラップされることを免れることで,経口毒性が上昇しているものと考えられた。

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© 2022 一般社団法人日本食品保蔵科学会
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