日本食品低温保蔵学会誌
Online ISSN : 2186-1269
Print ISSN : 0914-7675
ISSN-L : 0914-7675
近赤外分光法による農産物の非破壊品質評価
(第2報) トマトの内容成分と食味についての分析ソフトの開発
永井 耕介吉川 年彦沢 正樹小林 尚司田中 平義
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 15 巻 2 号 p. 75-81

詳細
抄録
近赤外分光法によるトマトの内容成分と食味に関する非破壊品質評価ソフトウェアの開発について検討した。
(1) トマトの近赤外線スペクトルデーターと, 従来法で求めた内容成分との重回帰分析を行った結果, 重相関係数が糖度の場合は0.74, 酸は0.62, 他の内容成分についても0.56-0.71の有意な相関が認められた。
(2) トマトの近赤外線スペクトルデーターと官能的な食味二との重回帰分析の結果, 食味については, 重相関係数0.78の有意性が認められた。
(3) 未知試料について, 手分析値とすでに求めた検量線で得た値との相関を求めた結果, 果実表皮から直接近赤外スペクトルを照射する方法では, 糖度はr=0.89, 酸は0.56, 還元糖は0.68, Kは0.91, Mgは0.91, 乾物率は0.72, さらに食味についても相関係数0.89の有意性が認められた。
(4) 以上のことより, 近赤外分光法により, トマトの内容成分を非破壊かつ迅速に測定できる有効な検量線が得られることが確認された。
著者関連情報
© 日本食品保蔵科学会/学術著作権協会
前の記事 次の記事
feedback
Top