1990 年 16 巻 2 号 p. 59-63
プラスチック容器を用いて, 混濁リンゴ果汁のアスコルビン酸, 色調および官能評価に及ぼす酸素透過性および貯蔵温度の影響を調査した。12°Brixの混濁リンゴ果汁 (濃縮還元果汁) を, 酸素透過性の相違する3種類のスタンディングパウチに熱間充填, 密封し, 水冷後, 5℃, 20℃および37℃に3カ月間貯蔵し, 定期的に検査した。
酸素と貯蔵温度は混濁リンゴ果汁の品質に顕著な影響を及ぼし, 酸素透過性が大きく貯蔵温度が高いほど褐変度は増加し, アスコルビン酸含量および官能評価は低下した。酸素透過性のないアルミニウム箔 (Al) 入リパウチが最も果汁の品質を保持していた。これらの結果に基づいて, 供試プラスチック容器の流通, 用途について考察した。