日本食品低温保蔵学会誌
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味噌中の脂肪酸エチル生成に対する温度条件ならびにリパーゼ活性の影響
片桐 充昭清水 純夫
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1994 年 20 巻 4 号 p. 175-180

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抄録

1. 味噌用麹および味噌のリパーゼ活性を測定した。その結果, 味噌用麹のリパーゼ活性は15.8U/麹g, 味噌は6.7u/gであった。味噌熟成によるリパーゼ活性減少は少なかった。
2. 味噌の熟成にともなうエチルアルコール含量をガスクロマトグラフィー法によって定量した。その結果, 仕込直後には検出されなかったが, 30℃熟成のとき15日目に平均1.79%の生成がみられた。30日目では平成2.37%であった。
3.対照区 (A) 味噌の総脂肪酸エチル含量は20℃, 30日間熟成時364mg/100gであり, 30℃, 30日間熟成で888mg/100g程度まで上昇した。
4. 味噌仕込時にリパーゼを添加して熟成したところ, 脂肪酸エチル生成量が増加し, 全脂肪酸に対する比率は45%程度であった。
5. 味噌仕込時にリノレン酸を1%添加して熟成したところ, リノレン酸エチル生成量が増加した。

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