日本食品低温保蔵学会誌
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収穫後の果実, 野菜に対する高圧電場の影響
ガンガプラサド カレル橋永 文男新谷 隆一
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1996 年 22 巻 1 号 p. 17-22

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抄録
収穫後の果実, 野菜の貯蔵に対する電場処理の影響を検討するために, 60Hzの交流高圧電場 (HEF) で, 数種の青果物を短時間処理した。HEF処理はクライマクテリック前のナシ, スモモ, バナナに対してクライマクテリックピーク時の呼吸量を減少させた。またクライマクテリック後のリンゴ果実に対しても呼吸の抑制効果が認められた。バナナの物理化学的性質 (ブリックス, pH, 硬度, ハンターLab値) の大部分はHEF処理区の方が対照区と比べて追熟を遅らせ, 外観から判断すると約2日間黄化を抑制することを示した。さらにピーマンを密封し, HEF処理後, 25℃で28日間貯蔵すると無処理区は赤色が出てきたのに対して処理区はいずれも緑色のままであった。またハンタ-a値も両者で明らかに有意差があり, 測定後さらに開封のまま赤色になるまでおくと新鮮物重の減少割合を抑えることから, ピーマンの鮮度を長く維持できることが見出された。
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