日本食品低温保蔵学会誌
Online ISSN : 2186-1269
Print ISSN : 0914-7675
ISSN-L : 0914-7675
活性炭、モレキュラーシーブ、パラジウムのエチレン除去特性の評価
青果物の鮮度保持におけるエチレンの除去に関する研究 (第1報)
山下 市二川嶋 浩樹近藤 康人壇 和弘永田 雅靖
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 22 巻 4 号 p. 191-197

詳細
抄録

青果物の鮮度保持を目的として使用される各種のエチレン除去資材のべースとなる活性炭, モレキュラーシーズパラジウム (Pd) のエチレン除去特性を評価した。
活性炭は, 除去速度は速いがエチレンを完全に除去することはできなかった。また, 吸湿による除去率の低下は小さかったが吸水により, 除去したエチレンの約50%を放出した。モレキュラーシーブ3Aにはエチレン除去能はなく, 4A, 5A13Xの除去速度は速かったが微量のエチレンが残存し, 高湿度下では除去能が著しく失われた。また, 吸水によるエチレンの放出も認められた。塩化パラジウムは, 乾燥状態よりも高湿度条件あるいは水の存在下でエチレン除去能が高く, エチレンの大部分がアセトアルデヒドになった。Pdカーボン, Pd活性炭は, 乾燥状態の方が除去能が高く, その除去機能は主として触媒作用によるものであった。

著者関連情報
© 日本食品保蔵科学会/学術著作権協会
次の記事
feedback
Top