抄録
(+)-カテキン,(-)-エピカテキン,(-)-ガロテキン,(-)-エピガロカテキン,(-)-ガロカテキンガレート,(-)-エピカテキンガレートおよび(-)-エピガロカテキンガレートからなる緑茶ポリフェノール(GTP)の養殖魚の細菌増殖および揮発性塩基態窒素(VBN)含量の抑制効果を検討した。異なる濃度のGTP(0,0.02および0.2%(w/w))を添加したモイストペレットを当歳魚のハマチに給餌した。給餌開始4週間後にハマチを活けじめした。ラウンド氷蔵中の魚肉部の一般細菌および低温細菌の住菌数を計数した。また,細菌の代謝産物として知られている魚肉部のVBN含量も定量した。魚肉部の一般細菌および低温細菌の増殖はGTP給餌により抑制された。また,魚肉中のVBNの増加も抑制された。0.2%のGTP添加は0.02%GTP添加より効果的であった。これらのことから,GTPは養殖魚の配送段階における静菌と鮮度保持に効果的であることが示唆された。