日本食品保蔵科学会誌
Online ISSN : 2186-1277
Print ISSN : 1344-1213
ISSN-L : 1344-1213
緑茶ポリフェノール給与飼育したブリ氷蔵中における細菌増殖および揮発性塩基態窒素量抑制効果
石原 則幸荒木 利芳田丸 浩井上 美佐西村 昭史青井 暢之朱 政治ジュネジャ レカラジュ森下 達雄
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 27 巻 5 号 p. 269-276

詳細
抄録
(+)-カテキン,(-)-エピカテキン,(-)-ガロテキン,(-)-エピガロカテキン,(-)-ガロカテキンガレート,(-)-エピカテキンガレートおよび(-)-エピガロカテキンガレートからなる緑茶ポリフェノール(GTP)の養殖魚の細菌増殖および揮発性塩基態窒素(VBN)含量の抑制効果を検討した。異なる濃度のGTP(0,0.02および0.2%(w/w))を添加したモイストペレットを当歳魚のハマチに給餌した。給餌開始4週間後にハマチを活けじめした。ラウンド氷蔵中の魚肉部の一般細菌および低温細菌の住菌数を計数した。また,細菌の代謝産物として知られている魚肉部のVBN含量も定量した。魚肉部の一般細菌および低温細菌の増殖はGTP給餌により抑制された。また,魚肉中のVBNの増加も抑制された。0.2%のGTP添加は0.02%GTP添加より効果的であった。これらのことから,GTPは養殖魚の配送段階における静菌と鮮度保持に効果的であることが示唆された。
著者関連情報
© 日本食品保蔵科学会/学術著作権協会
前の記事 次の記事
feedback
Top