日本食品保蔵科学会誌
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段ボール容器の改良によるブロッコリー (Brassica oleracea var. italica) の鮮度保持
池田 浩暢石井 利直茨木 俊行太田 英明
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2002 年 28 巻 2 号 p. 81-86

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抄録

ガス気密性を向上させるような段ボール容器の改良を行った。ブロッコリーを5種類 (発泡スチロール容器, 普通段ボール容器, ポリエチレン内装段ボール容器, 機能性段ボール容器およびこの改良段ボール容器) に詰めて, 15℃下で保存した。保存中の改良段ボール容器の酸素濃度および二酸化炭素濃度は, それぞれ10-12%および9-12%で推移した。この濃度は, 普通段ボール容器や機能性段ボール容器に比べ, 低酸素・高二酸化炭素状態となった。花蕾の黄化は, 普通段ボール容器や機能性段ボール容器ではそれぞれ保存4日後と6日後から発生したが, 改良段ボール容器では8日後まで認められなかった。普通段ボール容器や機能性段ボール容器に比べると, 改良段ボール容器ではクロロフィルや全糖およびアスコルビン酸などの減少もほとんど認められなかった。以上のことから, 改良段ボール容器では普通段ボール容器や機能性段ボール容器に比べて, ブロッコリーの品質が高く保持されていた。

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