Journal of Applied Glycoscience
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日本で栽培された各種強力小麦粉のドウの物性と製パン特性
パム バン フン前田 智子山内 宏昭森田 尚文
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2005 年 52 巻 1 号 p. 15-21

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抄録
日本で栽培された各種強力小麦粉, すなわちキタノカオリ (強力粉), グレンリー, ブルースカイ (超強力粉), ハルユタカ (準強力粉) のドウの物性および製パン特性を市販小麦粉カメリアと比較し評価した. カメリア (12.4%) に比べて, グレンリー (15.8%) とブルースカイ (15.6%) のタンパク含量は, 有意に高く, 一方, キタノカオリ (11.4%) とハルユタカ (9.7%) は有意に低い値を示した. また, キタノカオリとハルユタカの澱粉中のアミロース含量は他の小麦粉に比べ有意に低い値を示した. また, キタノカオリは試料中, 最も低い脂質含量と灰分量を示した. キタノカオリ, グレンリー, ブルースカイから調製されたドウは有意に高い吸水性を示し, 熟成中のドウの伸長抵抗は急速に増加した. キタノカオリは他の小麦粉よりもパンの膨らみを増加させ, 焼成後および保存中のパンは軟らかくなった. 一方, グレンリー, ブルースカイで調製されたパンの膨らみは, それらのタンパク量が高いにもかかわらずカメリアやキタノカオリよりも小さくなった. さらに, ハルユタカで調製されたパンの膨らみは試料中最も小さくなり, 保存中のパンの硬化も速いことがわかった.
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© 2005 by The Japanese Society of Applied Glycoscience
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