Journal of Applied Glycoscience
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第13回糖質関連酵素化学シンポジウム
α-アミラーゼファミリーの概念:グルカン加水分解酵素/グルカン転移酵素の相互変換,およびそれらの特異性変換のための合理的設計手段
栗木 隆高田 洋樹柳瀬 美千代大段 光司藤井 和俊寺田 喜信鷹羽 武史本同 宏成松浦 良樹今中 忠行
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2006 年 53 巻 2 号 p. 155-161

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抄録
私たちは新酵素neopullulanase (EC 3.2.1.135)を発見し,本酵素がα-1,4-およびα-1,6-グルコシド結合の加水分解のみならず,糖転移反応によりα-1,4-およびα-1,6-グルコシド結合を形成する反応を触媒することを示した.Neopullulanaseを用いた一連の実験結果より,私たちはこれら四つの反応を触媒する酵素の構造上の類似性および共通の触媒機構を指摘し,α-アミラーゼファミリーの概念を提案し,かつ定義した.変異導入による実験によりneopullulanaseのただ一つの触媒活性中心が四つのすべての反応,すなわちα-1,4-およびα-1,6-グルコシド結合の加水分解ならびに糖転移反応によりα-1,4-およびα-1,6-グルコシド結合を形成する反応を行っている証拠が示された.さらに構造解析の結果,neopullulanaseのただ一つの触媒活性中心がこれら四つのすべての反応を行っている決定的な証明がなされた.私たちは,このα-アミラーゼファミリーの概念を基盤としてグルカン加水分解酵素とグルカン転移酵素の相互変換,およびそれらの特異性変換を試みており,それにより工業的に有用なテーラーメードの酵素を創成してきている.α-アミラーゼファミリーの概念に基づき,私たちはThermus由来のamylomaltaseをたくみに処理して実質的にその加水分解活性を消失させ,シクロアミロースの工業生産のために完全な4-α-glucanotransferaseを創り上げた.ここでは,α-アミラーゼファミリーの概念をグルカン加水分解酵素とグルカン転移酵素の相互変換,およびそれらの特異性変換のための合理的設計手段として再び論証する.
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© 2006 by The Japanese Society of Applied Glycoscience
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