Journal of Applied Glycoscience
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標準試薬を用いた検量線による市販イソマルトオリゴ糖製品中のイソマルトオリゴ糖の定量改良法
中西 泰介野村 圭竹田 靖史
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2006 年 53 巻 3 号 p. 215-222

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抄録
市販イソマルトオリゴ糖製品中のオリゴ糖の定量法としてポリマー担体のアミノカラムを用いて,改良定量法を開発した.改良定量法では従来使用していたシリカ担体のアミノカラムよりも耐久性の高いカラムを用いた.本カラムを使用することにより市販イソマルトオリゴ糖製品中の各標準オリゴ糖の定量がRI検出による絶対検量線法で可能となった.グルコース,マルトース,コージビオース,ニゲロース,イソマルトース,マルトトリオース,パノース,イソマルトトリオース,マルトテトラオース,イソマルトテトラオースの濃度とピーク高の検量線を作成したところ17 mg/mLまで直線を示し,最小二乗法で相関係数0.999以上の高い相関性が認められた.各糖類ごとに直線の勾配は異なっており,グルコースが最も高く,イソマルトテトラオースが最も低くなった.グルコースの勾配に対して各糖類の相対勾配(各糖類の勾配/グルコースの勾配)を求め,変換ファクターとした.イソマルトオリゴ糖工業製品中の各糖類の濃度定量は液クロ分析で得られたピーク高より以下の式に従い算出した:
 (糖類Aの濃度,mg/mL)=(グルコース標準の濃度,mg/mL)×(糖類Aのピーク高)/(糖類Aの変換ファクター)/(グルコース標準のピーク高)
 改良定量法を用いて市販イソマルトオリゴ糖製品を分析した結果,製品100 g(糖固形分75.6 g含有)当たりに標準イソマルトオリゴ糖は42.7 gであった.その構成糖はイソマルトース19.2 g,イソマルトトリオース10.3 gを主成分として,パノース4.9 g,ニゲロース,コージビオース,イソマルトテトラオースが各々2.0,3.5,2.8 gであった.これら標準オリゴ糖の含有量は従来法と比較して高くなったが,これは従来定量法が各オリゴ糖の検量線法を用いて定量できなかったことに起因するものと考えられた.更に改良定量法ではニゲロース,コージビオース,4種類の未知のオリゴ糖の分離も可能となった.4種類の未知オリゴ糖の中で最も多い成分を単離・精製し,1Hおよび13C-NMR解析したところイソマルトトリオシルグルコースであった.
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© 2006 by The Japanese Society of Applied Glycoscience
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