Journal of Applied Glycoscience
Online ISSN : 1880-7291
Print ISSN : 1344-7882
ISSN-L : 1344-7882
論文
アワ(Setaria italica Beauv.)粉の物性に及ぼす添加物の影響
手塚 尚子平尾 和子濱西 知子高橋 節子
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 54 巻 1 号 p. 7-14

詳細
抄録
アワ粉の調理特性を明らかにする目的でRVAによる粘度,テンシプレッサーによるゲルの物性に及ぼすショ糖,食塩,サラダ油,牛乳添加の影響について研究し,市販のヒエ粉,米粉,小麦粉と比較した.また小麦粉の一部をアワ粉で置換した場合の混捏特性や粘度,ゲルの物性についても検討した.その結果,アワ粉の加熱時の粘度は小麦粉に近似であり,またアワ粉ゲルは硬さ,付着性が小さい物性を示し,食塩を0.5%添加することにより対照の2倍の硬さとなり,サラダ油の添加により約6倍に硬さが増加した.牛乳を添加することにより,アワ粉ゲルの硬さは大となり,牛乳・食塩・サラダ油を添加するとさらに硬さを増し,成形しやすくなりクリームコロッケなどに利用可能と考えられた.強力粉にアワ粉を10%置換した場合,ファリノグラフィーによる混捏特性に及ぼす影響は少なく,膨化倍率,官能評価からもアワ粉10%置換までであればパンなどにも利用可能と考えられる.
著者関連情報
© 2007 by The Japanese Society of Applied Glycoscience
前の記事 次の記事
feedback
Top