Journal of Applied Glycoscience
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論文
アワ(Setaria italica Beauv.)澱粉の新調製法と得られた澱粉の理化学的性質
手塚 尚子平尾 和子濱西 知子松永 直子貝沼 圭二高橋 節子
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2007 年 54 巻 1 号 p. 15-21

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抄録
短時間に純度の高いアワ澱粉を調製する目的で遠心分離を用いるMatsunaga et al.の方法ならびに改良Matsunaga法を比較検討した.改良Matsunaga法は水酸化ナトリウムを塩酸で中和後,水洗,沈澱を繰り返す方法である.改良Matsunaga法は澱粉収率が高く,タンパク質,灰分含量が低く純度の高い澱粉が得られ,日数も約7日間で調製可能であった.この方法で得られたアワ澱粉はアミロース含量18.5%,X線回折はA図形を示し,平均粒径は9.3-11.0μmとヒエ澱粉より大きく,ヒエ澱粉に似た角ばった粒形を示した.加熱時の粘度はトウモロコシ澱粉に近く,DSCによる熱的挙動からアワ澱粉は米澱粉や小麦澱粉に比べて低温保存時の老化が大であることが明らかとなり,アワ澱粉はトウモロコシ澱粉と同様の利用が可能であり,またゲル状食品への利用も効果的と考えられた.
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© 2007 by The Japanese Society of Applied Glycoscience
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