澱粉工業学会誌
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結晶ブドウ糖の特性に関する研究(第3報)
結晶ブドウ糖の灰分チッ素含量と加熱による着色試験
田村 太郎大久保 増太郎鈴木 繁男
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1958 年 6 巻 1 号 p. 18-23

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抄録

 最近の市販結晶ブドウ糖14点,砂糖1点,両者の混合糖4点について加熱着色試験を行った。先ず試験方法を検討し,かなり再現性があることを認めた。次に灰分,チッ素,HMFの含量をはかり、また145℃加熱後のpH,酸度をはかって,加熱による着色反応の要因について考察した。 砂糖(車糖)は結晶ブドウ糖と同等またはそれ以上に着色した。またいずれも糖の分解反応で着色がおこり,最初のHNF含量もかなり影響するが,それだけではなく,着色反応促進の未知の要素が考えられる。チッ素含量はそれほど影響がなく,加熱による酸生成量またはpHも,着色の強弱と直接の関係はない。 結晶ブドウ糖の着色増加度は,品質のよいものほど少いが,その際の酸度には大差がなく,むしろメーカーによつてかなり差がある。 また今回も試料中にはHMFが極度に多い製品があつた。

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