抄録
α-アミラーゼ含量の異なる4種のグルコアミラーゼ標品を用い,6種類の澱粉粒の分解を比較した.いずれの酵素標品も,澱粉粒の分解率の経時変化は同様の傾向を示し,分解のされやすさは,su2およびsu2o2トウモロコシ澱粉,普通型トウモロコシ澱粉,湿熱処理ジャガイモ澱粉,aeトウモロコシ澱粉,ジャガイモ澱粉の順であった.また走査電子顕微鏡観察の結果,普通型トウモロコシ澱粉粒では,いずれの酵素標品でも,分解の初期には粒の表面に小さな穴が生じ,分解率の上昇に従い,穴の数および径が増加するとともに,それらの穴が粒の中心へと進むのが観察された.