澱粉科学
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サフラン澱粉の二, 三の性質
杉本 温美西原 公恵藤田 修三不破 英次
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1986 年 33 巻 1 号 p. 40-46

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抄録
サフランの澱粉について, 二, 三の性質を調べ以下の結果を得た.
1) サフラン澱粉の最多粒は10-20μm, 平均粒径は9.7μmで, トウモロコシ澱粉 (平均粒径13.6μm) よりも小さい粒であった.
2) サフラン澱粉粒の酵素による分解性は, 反応初期にはトウモロコシ澱粉粒の50%程度であったが, 24時間の反応ではトウモロコシ澱粉粒と同程度の高い分解性を示した.
3) サフラン澱粉粒の酵素による分解残渣のSEM観察の結果, サフラン澱粉の粒表面の侵食状態や穴が開く様子を観察できた.
4) サフラン澱粉のアミロース含量は, 電流滴定によるヨウ素親和力から算定すると26.0%, また, イソアミラーゼで枝切り後, ゲル濾過を行った結果から算出すると, 29.2%であった.
5) サフラン澱粉のフォトペーストグラフィーによる糊化開始温度は59.5℃, DSCによる糊化開始温度は65℃であった.
6) サフラン澱粉のX線回折図型はCa図型を示した.
7) ブラベンダーアミログラフによる8%濃度での糊化開始温度は80.5℃, 最高粘度620 B. U., ブレークダウン320 B. U., 冷却による粘度増加は320B.U. であった.
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© 日本応用糖質科学会
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