澱粉科学
Online ISSN : 1884-488X
Print ISSN : 0021-5406
ISSN-L : 0021-5406
アルカリ耐性アクレモニウム属菌の生産する新規アミラーゼの精製と諸性質
森山 康司満生 慎二川口 昭弘村尾 澤夫
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 39 巻 4 号 p. 261-269

詳細
抄録
 アルカリ耐性不完全菌が中性~ 弱アルカリ領域においてアミラーゼ活性を示すことを見い出した.このうち,最も強力な活性を示した菌株の菌学的性質を検討し,本菌をAcremonium属の新種と同定した.本アミラーゼを,DEAE・Toyopearl 650M,SephadexG・50,Mono-QおよびSuperdex75のカラムクロマトにより精製を行った結果,電気泳動的に均一な精製標品を42%の回収率で得ることができた.本酵素の分子量は53,000,至適pHは6・5~7.5の中性域に示したが,pH9.0においても66%の残存活性を保持しており,pH6.0~10.5の範囲で安定であった.また,至適温度は45℃ の中温性であったが,10℃ の低温においても58%の活性を保持していた.さらに,本酵素の等電点は5.94であり他のカビ由来のアミラーゼと比較するときわめて高い値を示し,アミノ酸組成においてもプロリンおよびシステインの含量が著しく低い等の特徴が認められた.本酵素は澱粉からエンド型様式でG2,G3,G4等のマルトオリゴ糖を生成し,タカアミラーゼAと類似の作用機作を示した. 以上のことから,本酵素は新規なアルカリ耐性中性アミラーゼであると考察した.
著者関連情報
© 日本応用糖質科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top