澱粉科学
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クワイ澱粉の理化学的性質
鈴木 綾子金山 睦子柴沼 清竹田 靖史安部 淳一檜作 進
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1993 年 40 巻 1 号 p. 41-48

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抄録
 クワイ球茎澱粉の構造および機能的性質の特徴を明らかにした.澱粉は比較的多量(25.6%)のアミロースを含有し,X線回折ではCa型に分類され,フォトペーストグラフィーによる糊化開始温度は49.5℃ であった.アミロースは大きな分子で,d.p.n,d.p.wおよびd.p.の分布はそれぞれ2840,7080,および570~21300で,鎖数は6.8であった.アミロースとアミロペクチンの数平均鎖長はそれぞれ420と20.2であった.アミロペクチンは58ppmの有機リンを結合していた.高速粘度計(Rapid Visco Analyzer)yこよる糊化特性はサツマイモ澱粉に類似したが,後者より粘度上昇温度が低く,ブレイクダウンが大きく,熱耐性の弱いことが示唆された.熱糊化液(5%)は0℃ でサツマイモ澱粉糊に近い老化傾向を示した.これは両者の分子構造が似ていることによるものと思われる.
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© 日本応用糖質科学会
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