応用糖質科学
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ポテトアミロペクチンのレオロジー特性
田幸 正邦
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1998 年 45 巻 4 号 p. 379-384

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抄録

 平均重合度(DPn),平均鎖長(CLn),およびリン酸含量がそれぞれ4290,23.0,および840ppmのポテトアミロペクチン(ジャガキッズ,90,赤)水溶液の非ニュートン流動と動的粘弾性をレオゴニオメーターを使用して測定した.ポテトアミロペクチンは2.0および4.0%で擬塑性流動を,6 .0%では降伏値(0.8Pa)が認められ塑性流動を示した.この結果から,ポテトアミロペクチン分子鎖は水溶液で二次結合を形成しないことが示唆された.粘性は温度の上昇に伴って徐々に減少した.また,動的弾性率は濃度の増大に伴って高い値を有したが,温度の上昇に伴って減少した.一方,tanδ は6.0%低温側(0℃)で1.15であった.動的弾性率は尿素(4.0M)またはアルカリ溶液(0.05または0.10NNaOH)で低い値に留まった.しかしながら,85%DMSO溶液では逆に増大した.ポテトアミロペクチン分子鎖に置換しているリン酸(C-6,613ppm)が,分子鎖内二次結合を阻害することが示唆された.

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© 日本応用糖質科学会
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