Journal of Applied Glycoscience
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Arthrobacter属由来のβ-フルクトフラノシダーゼの糖転移反応によるヒロドキノンとエピカテキンの配糖化反応
中野 博文濱保 健一中川 要田畑 明徳藤田 孝輝原 耕三木曽 太郎村上 洋北畑 寿美雄
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2002 年 49 巻 2 号 p. 115-121

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抄録
 ヒドロキノン(HQ)とエピカテキン(EC)を,ショ糖を供与体としてβ-フルクトフラノシダーゼの糖転移反応により配糖化した.数種類の酵素を比較した結果,Arthrobacter属由来の酵素が最も効果的であった.HQの配糖化生成物(HQβ-フルクトフラノシド,HQF)は,HQ濃度0.4M,ショ糖濃度1.0Mで最も効率的に合成された.HQFはゲル濾過により単離し,13GNMRにより構造を確認した.ECの配糖化は,反応系におけるECの溶解性を上げるために5%2-プロパノールの存在下で行った.ECからは2種類の転移生成物が約7:2の比率で生成した.これらのうち,主生成物をシリカゲルクロマトグラフィー,ゲル濾過,調整用HPLCで単離した.13C-NMR分析により,ECの3位の水酸基が配糖化されていると推定された.HQFとECFはマウスメラノーマ細胞のチロシナーゼ活性を阻害した.この酵素はメラニン合成のキー酵素であり,皮膚の美白物質としての応用の可能性が示唆された.
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© 日本応用糖質科学会
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