本稿は,2019年7月28日に日本大学文理学部百周年記念館国際会議場において開催された公益社団法人日本地下水学会主催のセミナー「地下水ガバナンスの理論・事例分析と実践的プロセスへの示唆」において講演した内容に基づいて,これを加筆・修正したものである。わが国における地下水学や水文学に関する学術研究がスタートしたのは1910~1920年頃と考えられ,それからほぼ一世紀が経過したことになる。本稿では,この間における地下学の進展について,主として水循環の視点からその過程を記すとともに,2000年以降における地下水に関わる国内外の動向を踏まえて,2014年7月1日に施行された「水循環基本法」との関連において,地下水保全管理の新たな概念である「地下水ガバナンス」について世界の動向とわが国の現状についてその概要を記した。