本研究の目的は,自力歩行が困難な高齢者の生きる意味,目的,いまを支えるものを明らかにすることである.対象は介護老人保健施設に入所している6人で,半構造化面接によってライフストーリーを聴き取り,逐語録に起こし,質的帰納的に分析し,6人のサブテーマを統合して5つのテーマを抽出した.地域高齢者のスピリチュアリティと一致する「頑張ったからこそある満足感」「過去・現在・未来の人とのつながり」「命はもらったもの,生かされている」のほかに「不自由でもできることは自分でしたい」「いまがいちばんいいとき」が抽出された.生きる意味,目的,支えを聴き取ることは,老健で生活する高齢者の自己の客観視を可能にすること,および看護が充実する可能性があり,そのような視点を取り入れたケアの必要性が示唆された.