老年看護学
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原著
特別養護老人ホーム入居者の夜間の排泄ケアと睡眠状態との関連
笠井 恭子小林 宏光川島 和代
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2017 年 21 巻 2 号 p. 51-58

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抄録

 本研究では特別養護老人ホームの入居者を対象に,夜間,排泄行動が自立している者(以下,自立群)と定時に排泄介助を受けている者(以下,介助群)の睡眠状態を比較し,睡眠改善ケアのあり方を検討した.今回,マット型睡眠計を用いて収集した1年間の睡眠データを用いて検討した.分析対象者は14人で自立群が8人,介助群が6人であった.平均年齢は,自立群86.9±6.5歳,介助群85.3±10.9歳であった.移動手段は,歩行が自立群4人,介助群2人,車いす自走が自立群4人,介助群4人であった.

 中途覚醒率は,自立群13.9%(90.2±38分),介助群11.1%(74.3±20分)であり,介助群のほうに若干中途覚醒が少なかったがその差は有意とはならなかった.また,入眠時刻,起床時刻,睡眠時間,レム睡眠率,浅睡眠率,深睡眠率のいずれも自立群と介助群で有意な差は認められず,定時の排泄介助が必ずしも要介護高齢者の睡眠の質を低下させているとはいえないことが明らかになった.要介護高齢者の睡眠を妨げないよう,できるだけ排泄介助の回数を少なくするという考え方があるが,夜間の排泄介助の回数やタイミングは,高齢者個々の睡眠パターンや質を観察しながら検討する必要性が示された.

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