老年看護学
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骨・関節疾患術後高齢者が退院に際して抱く不安の分析
岡本 佳也
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2020 年 24 巻 2 号 p. 96-105

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抄録

 目的:65歳以上の骨・関節疾患術後高齢者が退院に際して抱く不安の内容を明らかにする.

 方法:整形外科病棟から自宅退院予定の患者10人を対象に半構造化面接を行い,質的記述的に分析した.

 結果と考察:退院に際して抱く不安のカテゴリーは,【痛みが残るのか】【元の状態にもどれるのか】【姿勢・動きに気をつけなければならない】【自分ではできないことがある】【先々どうなるのかわからない】からなり,不安に影響を与える内容は【回復へのそこそこの満足感】【退院後の生活への備え】【支えてくれる人がいるか】【自立の程度】【現実的な目標がある】からなった.痛みの継続や姿勢・動きに気をつけながらの生活は整形外科術後の特性を表しており,退院後の生活の質を大きく左右し不安に影響を与えることが明らかとなった.退院後の自分の姿や生活を想像したり検討できているかの査定を行いながら介入し,高齢者が抱く不安に対して具体的な方法や対策を共に考え支援をしていく必要がある.

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