抄録
本稿は,1990年代よりまちづくりや商店街の活性化に関する取り組みが継続している石川県七尾市一本杉通り商店街を事例に,商業活性化策が展開してきた仕組みを明らかにした。対象地域において,商業活性化に向けて様々な取り組みはなされてきたが,店舗によって取り組みに対する意識や,取り組みによって得られた商業的効果は異なっていた。一部の店舗で商業活性化は達成されていたものの,全ての店舗に効果が波及していなかった。また一本杉通り商店街では,店舗構成や振興会の中心人物が変化しつつあり,継続的な検証が必要といえる。