抄録
本研究は,COVID-19パンデミック下での茨城県龍ケ崎市の高齢者の日常行動を,特にICTおよび活動仲間に着目して分析したものである。調査対象者では,単独あるいは配偶者との行動,外出を伴わない行動が主であった。ただし,外出を伴う行動では生活必需品の購入目的でのサービス施設への訪問が最も多い。別居する成人した子とは,電話やソーシャルメディアアプリなどを用いたコミュニケーションも行われた。日常行動の男女差として,女性は活動仲間および訪問先が多様であること,移動距離が長く自家用車の利用率が高いことが挙げられる。この背景として,女性は主に近隣地域で日常行動をしており,COVID-19パンデミックの影響を男性より受けにくいことが考えられる。