地理空間
Online ISSN : 2433-4715
Print ISSN : 1882-9872
ブラジル・南パンタナールにおける観光業の導入と発展
仁平 尊明
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2011 年 4 巻 1 号 p. 18-42

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抄録

 本研究は,ブラジル・マットグロッソドスル州の南パンタナールを対象として,農家民宿(ファゼンダポウザーダ),ホテル,釣り宿などの宿泊施設の経営を分析することから,パンタナールにおいて観光業が発展するための課題を解明する。その際,エコツーリズム発展の地域的差異に着目した。すなわち,エコツーリズムを提供する宿泊施設が集中するエストラーダパルケ(公園道路)沿線を「核心地域」,主要都市から離れた奥地であるニェコランディアを「核心周辺地域」,州境・国境地帯を含む遠隔地のパイアグアスを「外縁地域」に区分した。考察の結果,地域的に偏った観光業の発展,環境保護と観光業発展のアンバランス,多様な観光客への対応力,人の激しい流動性,パンタナール周辺地域との連携の低さなどの点で課題が指摘された。今後,内発的で持続的な観光業の発展を提案していくためには,湿原内外の資源を活用しながら,それぞれの地域性を十分に考慮した計画が必要である。

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© 2011 地理空間学会
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