診療所外来の疾病治療中高齢者に対し,筋力低下の現状を明らかにすることを目的とした.診療所外来へ通院中の 65 歳以上の高齢者 103 名を対象に,男女別で握力低下に及ぼす特徴を身体計測値,血液検査値,栄養状態,食事調査等,筋量(下腿周囲長)を含め検討した.男性握力低値群と握力・筋量低下群で,鉄,葉酸,カリウム,ビタミン B2,ビタミン K で有意差を認め,たんぱく質や野菜の摂取量が少ない傾向であった.握力・筋量の比較では上腕筋量や MNA®-SF で有意差が認められたが,血清アルブミンは有意な差は認められなかった.握力,筋量,栄養状態の測定と食事摂取量を把握する必要性が示唆された.