2022 年 3 巻 1 号 p. 52-59
目的:老衰の状態の際に一般市民がどのような医療を希望するか明らかにする.
方法:一般市民にインターネットによるアンケート調査を行った.シナリオを提示して患者が自身だった場合と家族だっ た場合について質問した.
結果:経管栄養・心肺蘇生は,「望まない」が自身・家族の場合共に最多であった.輸液・肺炎合併時の抗菌薬投与は,自身の場合は「望まない」が最多で,家族の場合は「望む」が最多であった.
結論:一般市民は,老衰となった際に積極的な治療の希望が少ないことが示唆された.輸液・抗菌薬投与に関しては,自身と家族だった場合の回答の一致度が高くなく,家族が代理意思の際の意思決定には留意する必要があると考える.