2023 年 4 巻 2 号 p. 49-52
【はじめに】廃用症候群を来した患者に対し,在宅医療のための緊急退院と即日の訪問診療を開始した症例を報告する.
【症例】81 歳の女性.前医入院中に進んだ廃用症候群の状態で当院転院となった.患者の家族は患者の状態変化について戸惑っていたが,自宅退院の希望があった.患者に経鼻酸素投与を開始した日に,自宅への緊急退院と同日からの在宅医療を開始した.患者は退院10 日目に永眠したが,ご家族の満足度は高かった.
【考察】在宅医療を開始する際には環境調整に日時を要することが多いが,患者の状態によっては,すみやかに在宅医療へと移行することが望まれるケースもある.その為には,平素からの多職種間の密な連携も必要である.