2014 年 17 巻 p. 31-44
単位制度の運用は,近年わが国の高等教育行政および高等教育機関の教学マネジメントにおいても喫緊の問題となっている.同様の問題は,米国の高等教育においても指摘されている.本稿は,単位制度に関する米国における連邦レベルでの新たな規則に着目することによって,米国の単位制度の成立を整理するとともに,高等教育機関の学外統制メカニズムの動態を検討しようとするものである.その検討の過程で,適格認定のシステムが連邦による統制のプロセスに包摂された実態を連邦政府とアクレディテーション団体双方の文書から明らかにし,適格認定を介在させた単位制度に関する連邦の政策が持つ,米国高等教育史における意義を考察する.