高等教育研究
Online ISSN : 2434-2343
特集 高等教育における多様性と包摂
高等教育における多様性と包摂をめぐる「物語」
米澤 彰純白川 展之
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2025 年 28 巻 p. 11-30

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抄録

 高等教育における多様性と包摂は,個人レベルの実践(ミクロ),大学など組織としての取組(メゾ),政策・法制度(マクロ)を貫通し,多様なステークホルダーの意識転換を促す「物語narratives」を必要とする.日本の高等教育において,多様性と包摂は未だ学外ステークホルダーの要請への対応としての外在的な価値の側面が強く,また,その取組は様々な領域ごとの縦割りとなる傾向が強いのではないか.インターセクショナリティや分断のリスクを回避し,多様性と包摂への価値付けと取組とが日本の高等教育において定着し,持続性を持つためには,学生や教職員などの学内ステークホルダーの間での現場での活動実践に根ざした,領域横断的な包括性をもつ内在的価値形成へとつながる共通の「小さな物語」を蓄積し,つなげていくことで,あらたな「大きな物語」を定義していく必要がある.

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