本研究は、要配慮者の水害避難について平成30年7月豪雨における岡山県総社市下原地区の16事例を分析したものである。その結果、以下の3つの課題が明らかになった。覚知段階においては、TVと外の呼びかけのように情報手段がお互いに阻害になり得ることや、また、夜間災害の時間的な特性上、就寝中の要配慮者を覚知させることや就寝前に備えをさせることが課題になっていた。上階移動については、2階建てに居住しても身体能力の低下などにより上階移動が困難な場合があった。立退避難については、「2階なら安全」という考えが阻害要素になる一方、上階移動の促進要素にもなった。