日常会話において,ほめに対する応答として,受け手がほめられた内容に関連する情報を提示しつつ,自身の評価や感情を表明する場面は少なくない.本研究では,談話分析の手法を用いて,こうしたほめに対する「情報的コメント」の応答の仕方と談話における役割を分析した.その結果,日本語のほめの談話では,特に初対面会話において「情報的コメント」の応答が多く現れていることが明らかになった.また,ほめに対する応答の仕方を分析した結果,受け手は「情報的コメント」を単独で述べたり,「情報的コメント」を「同意」「感謝・喜び」「不同意」と組み合わせて応答したりしていることがわかった.さらに,談話における「情報的コメント」の応答は様々な役割を果たしており,受け手が「情報的コメント」を活用することで,ほめに対する自分の立場(肯定的・中立的・否定的)を示しつつ,自画自賛や好意拒絶を避け,会話を円滑に進めていることが観察された.