社会言語科学
Online ISSN : 2189-7239
Print ISSN : 1344-3909
ISSN-L : 1344-3909
研究論文
朝鮮学校コミュニティにおける「話し言葉の書き言葉体化」の検証―書き言葉的な表現の使用実態を中心とした社会言語学的考察―
權 恩熙
著者情報
ジャーナル フリー

2026 年 28 巻 2 号 p. 64-79

詳細
抄録

本研究は,朝鮮学校コミュニティの話し言葉における「話し言葉の書き言葉体化」現象を検証し,在日朝鮮語が韓国の朝鮮語母語話者にとって「ぎこちない」と感じられる理由を探るために,「書き言葉的な表現」の使用実態に焦点を当てるものである.言語資料としては朝鮮学校を扱ったドキュメンタリー8本と,中・高級部の授業談話7件を用い,韓国の『世宗コーパス』(話し言葉・書き言葉)の対照を通じて,書き言葉的な表現の使用傾向を分析した.その結果,「与格助詞」「接続助詞」「逆接接続副詞」「順接接続副詞」「強調的程度副詞」の5つの項目において,韓国の朝鮮語では主に書き言葉で使用される表現が,朝鮮学校コミュニティの話し言葉で頻繁に使用されていることが確認された.これにより,朝鮮学校コミュニティにおいて「話し言葉の書き言葉体化」が一定の傾向として存在することが明らかになった.

著者関連情報
© 2026 社会言語科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top