社会言語科学
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研究論文
地域特産物の海外展開プロジェクトにおける留学生の主体的関与の発展過程―ビジュアル・エスノグラフィーに基づく異文化協働の質的分析―
魏 小花
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2026 年 28 巻 2 号 p. 80-95

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抄録

本論文は,近年の多文化共生推進政策や「大学の国際化によるソーシャルインパクト創出支援事業」(以下「事業」)に見られるように,外国人留学生が地域社会の担い手として期待される政策的・社会的背景を踏まえ,留学生の多様性を地域課題の解決に活かす実践の可能性を質的に検討した.具体的には,外国人留学生を単なる「多様性の資源」としてではなく,「異なる文化的背景をもつ他者と協働し,新たな価値を創出する主体」として再定位する視座に立ち,異文化シナジー創出における留学生の主体的関与の発展過程を明らかにすることを目的とした.調査対象は,「事業」に採択された地域特産物の海外展開を目指した協働プロジェクトにおける留学生と国内学生の混成グループであり,ビジュアル・エスノグラフィーの方法論に基づき,映像データを時系列的に分析した.分析の結果,異文化シナジー創出における留学生の主体的関与は,模倣的適応,判断共有,自律的役割遂行,順応的調整,スキル習得と信頼深化,創造的貢献,信頼に基づく補完的協働の七段階を経て展開され,各段階において留学生は課題検討力,他者理解力,異文化関係性構築力,行動遂行力を発揮しながら,受動的な参加者から能動的な協働担い手へと成長していく様相が確認された.本研究は,留学生を動態的・関係的な実践の中で捉え直す分析的枠組みを提示し,多文化共生と地域活性化に向けた新たな知見を提供するものである.

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