抄録
北部フォッサ・マグナは東北日本の火成活動の延長部と糸魚川・静岡構造線に沿った火成活動が会合する地域である。西から南葉山、鉾ケ岳、火打山に石英閃緑ひん岩(またはデサイト)~閃緑ひん岩類(安山岩)の貫入岩体が点々と分布し、また糸魚川・静岡構造線に沿って鉾ヶ岳、雨飾山、高妻山などが分布する。赤羽(1975)はこれらの岩体を西頚城半深成岩類と命名したが、同じ時期の活動した米山、江星山、や海川は火砕岩や溶岩流である。茅原(1984)は鉾ケ岳半深成岩と江星山火山岩、雨飾山半深成岩と海川火山岩類は同じ時期に火成活動した複合岩体と考えた。
石英角閃石ひん岩(または安山岩)のK-Ar年代測定値は1.35±0.21Ma、角閃石ひん岩(または安山岩)のK-Ar年代測定値は1.2±0.4Maという値を得た。また江星山火砕流堆積物のK-Ar年代測定値は中部層で 0.92±0.12Ma、下部層で1.24± 0.8Maであった。同じ時代に半深成岩と火山岩が西頸城隆起帯に活動しており、半深成岩が火成活動の特徴でない。