抄録
マルチアンビル装置と放射光X線回折によるその場観察法によって、ザイフェルタイトの準安定な生成条件とそのカイネティクスを制約する実験を行った。クリストバライト粉末を出発物質とした実験では、常温加圧時にクリストバライト高圧相への相転移および部分的な非晶質化が起こった。その後の昇温過程において、ザイフェルタイトが出現し、さらに昇温することでスティショバイトが出現した。本実験の時間スケール(10~50分)では11GPa, 500℃付近から高圧側へ向けて幅広いザイフェルタイトの準安定相出現領域が拡がることが明らかになった。