日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2013年年会
セッションID: R7-03
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R7:岩石・鉱物・鉱床一般 (共催:資源地質学会)
オマーンオフィオライト底部かんらん岩に記録された交代作用:スラブーマントル相互反応のアナログ
*石丸 聡子荒井 章司田村 明弘
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抄録

オマーンオフィオライトの底部かんらん岩の岩石学的・地球化学的性質を記載した. かんらん岩は片理構造の発達したスピネルレールゾライトであり,角閃岩­­—かんらん岩境界から離れるに従って片理構造は弱くなる傾向が見られる.境界近傍では蛇紋岩化の程度が高いが,境界から離れるに従って蛇紋岩化の程度は低くなる.かんらん岩中には角閃石(主にホルンブレンド)が普遍的に存在する.境界近傍のかんらん岩中の単斜輝石と角閃石は,軽希土類元素やLIL元素 (Rb, Ba, Sr) に濃集している.境界から離れるに従って単斜輝石中のその濃度は減少し,10 m以上離れた試料では検出限界以下となるが,境界から離れた試料中に観察されるホルンブレンドは依然として高い軽希土類元素やLIL元素の濃度を示す.オマーンオフィオライト底部では,比較的高温状態でH2O流体が付加され不適合元素の付加が認められた.

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