CO2のケイ酸塩メルト/ガラスの性質へ及ぼす効果を理解するには、その溶解機構の解明が必要不可欠である。CO2は、分子CO2 と炭酸塩イオン(CO32−) の形でメルト中に溶け込んでいることが知られている。しかし、CO32− はどのようにメルト構造に取り込まれているのか、ネットワーク構造へどのような影響をもたらすかは良く分かっていない。本研究ではab initio計算(振動周波数、13C化学シフトテンソル)及びのCO2を含む異なったケイ酸塩組成の急冷ガラスの多核種NMR測定を行なった。計算から、振動周波数と13C化学シフトテンソルは共にCO32-の局所構造に敏感であるが分かった。実験データは、CO32−は重合度の低いメルトでは主にネットワークと繋がっていないfree CO32−として、重合度の高い組成では2つのSi/AlとつながるネットワークCO32− として存在することを示唆する。